2024.1.25 512 views
姫路城の秘密|観光が100倍楽しくなる!?知られざる歴史&伝説を地元民が教えます!
日本一の名城との呼び声も高い「姫路城」。海外のガイドブックでも紹介されるほど有名な姫路のイチオシ観光スポットですが、姫路城には地元民でも知らないような秘密がたくさん。これを知っていれば観光が100倍!?楽しくなること間違いなし!あなたはいくつ知っていますか?ガイドブックにはのっていない世界遺産 姫路城の秘密&楽しみ方を地元民が教えます!
・姫路城って何階建て?大天守に辿り着けない不思議
さて、あなたはこれから姫路城に攻め込みます。目指すは大天守!何階上れば辿り着けるでしょうか?
写真をよく見てみてください。
5階建てだと思ったそこのあなた、それでは大天守には辿り着けません。
城郭建築では外観の屋根の数を「重(層)」、内部の床の数を「階」と呼び、数えます。姫路城の大天守の外観は5重なのですが、実際は地下1階と地上6階の7階建て!
5重7階が正解なのです。
城内に攻め込もうとした敵を困惑させて、大天守の最上階まで簡単に到着させないための仕掛けのひとつ。ぜひ姫路城に攻め込む気持ちで、階層を数えながら天守閣を目指してみてください。
・石垣の角に使われている、大きな四角い石は〇〇!?
姫路城は石垣も見応えあり。よく見てみると、角にきれいな四角に整えられた大きな石が使われているところがあります。四角く切り出した石を使ったのでしょうか?
答えはNo!
実はこれ、石棺(せっかん)です!
※石棺とは、遺骸を収める棺(ひつぎ)を石材で造ったもの <引用:Wikipedia>
姫路城の石垣には、石棺や墓石が組み込まれているのです。姫路城が築かれる前、有力者の古墳などが周辺にたくさんあったことから、築城の際に掘り起こされ、石棺が石垣に利用されたのだとか。
・姫路城のシャチホコは全部メス!?
大天守の頂点などを飾るシャチホコとは、姿は魚で頭は虎、尾ひれは常に空を向き、背中には幾重もの鋭いとげを持っているという想像上の動物。
城郭建築がもっとも恐れる火事での焼失を避けるため、おまじないの意味も込めて、昔から水にゆかりのある装飾が施されていたようです。
通常のシャチホコは仁王像や狛犬などのように『阿吽一対』となっていて、口を開けているのが「阿」でオス、閉じているのが「吽」でメスとされているそう。普通はこのオスとメスの2体が対になっていますが、姫路城のシャチホコはなんと、どちらもメス! 全国的にも非常に珍しいシャチホコなのです。
けれど最初からメス同士だったわけではありません。
姫路城は江戸時代からその姿を残しているのですが、昭和の大修理の際にはそのメスの1体を見本として同じ形のものを作ったようです。よって現在大天守に飾られている計11尾のシャチホコは、すべてメスのシャチホコとなっています。
・上下逆さまになったアゲハチョウの謎
特に歴史好きにおすすめしたい姫路城の楽しみ方が『家紋巡り』。
姫路城は城主の交代が多く、歴代城主たちが自分の家紋を瓦にデザインしたことから、さまざまな種類の文様がお城に残されました。
天守の瓦に描かれているのはアゲハチョウの紋。これは城を建てた池田家の家紋です。通常は蝶の頭を下に描きますが、実は城内で1か所だけ逆さま、つまり頭が上に描かれている瓦が存在するのです!
当時「完成と同時に崩壊が始まる」という故事を逆手に取り、わざと未完成の状態にすることによって災いを避けようという願掛けの一種なのだとか。上下逆さまのアゲハチョウを探してみては。
・姫路城はかつて傾いていた!?
提供:姫路城管理事務所
1956年に行われた「昭和の大修理」まで、姫路城はずっと傾いて建っていました。そこには悲しい伝説が存在します。
池田輝政から姫路城の築城を命じられたのは、桜井源兵衛という大工の棟梁。源兵衛はこの大仕事を寝る間も惜しんでたった9年という短期間で築城する偉業を成し遂げました。
源兵衛は妻を姫路城へ案内し、その純白に輝く姿を仰ぎました。その時に妻が発した、「立派なお城ですが、少し傾いて見えます・・・」という言葉に源兵衛は愕然とします。自らの設計に誤りがあったに違いないと思い込んだ源兵衛は、ノミをくわえて天守閣の最上階から身を投げたと言われています。
実際、天守閣は巽(東南)の方向に42.42 cm傾いていましたが、これは源兵衛の設計ミスによるものではなく、盛り土の土固めが不十分だったために石垣が地盤沈下を起こしたことによるものでした。
昭和の大修理の際に傾きの原因だった盛り土は取り去られ、コンクリートの基礎を築くことで傾きは解消されています。
・妖怪退治に宮本武蔵!?
提供:姫路城管理事務所
姫路城は、天守閣最上階に刑部(おさかべ)神社という小さな祠がある、珍しい城。それには、かの有名な宮本武蔵と、ある妖怪伝説が関係していました。
当時、姫路に立ち寄った宮本武蔵は警護する役目で奉公していました。その頃、天守に妖怪が出るという噂があり、武蔵は城主より直々に妖怪退治を命じられます。
ある夜、天守まで灯り一つで天守を上る武蔵に、凄まじい炎と地震のような揺れと轟音が襲ってきたそう。しかし、武蔵が「おのれ妖怪、退治してやる」と腰の刀に手をかけると静まりかえりました。
とうとう最上階までたどり着いた武蔵は、妖怪が姿を現すまで待とうと腰を下ろしうとうとしていると、城の守り神である「刑部姫」が姿を現し妖怪退治の褒美として宝剣を授けたのだとか。
・大天守最上階に幻の窓が!
平成の修理で「幻の窓」を発見!大天守の最上階にある四隅の壁の中に、引き戸などをはめ込むための敷居と鴨居(かもい)の跡が計8組見つかりました。
建築当初は、死角をなくして城下を360度眺望できるようにする計画だったようですが、使われた形跡がなく、板壁を耐力壁として塞がれていました。
窓を塞いだ理由は不明で、文献の記録も残っていません。推測では1605年の築城中にマグニチュード8クラスの大地震を受けたことから、大天守の耐震性を高めるためではないかといわれています。
実際に窓として建築されていたらどんな姫路城だったのか…気になる人も多いはず!
「姫路城AR」のアプリをダウンロードして大天守最上階にある「幻の窓」のARマーカーサインにスマホをかざすと、幻の窓が出現します!
カメラ越しに現在の姫路城と見比べて、デザインや構造の違いを楽しむものおすすめ!
■詳細情報
DATA
- Yes
- No
- 営業時間
- 9:00~17:00(最終入城受付は16:00)※季節により変動あり
※無料区域はイベント期間等以外24時間開放
- 定休日
- 12月29日・30日