2024.12.10 8 views
【盆栽オタクなインディアン】盆栽から学ぶ“人としての美徳”とは?日本庭園に魅せられた二人
姫路城に隣接する人気スポット「好古園」で、インドからやって来たDivya(ディヴィヤ)とVinayak(ヴィナヤック)に出会いました。日本の伝統的な庭づくりや盆栽に魅せられた彼らが語るその魅力とは?そこには日本庭園から学ぶ“人としての美徳”が隠されていました。
Q.旅の目的は?
実は、僕らは趣味で盆栽を育てていて、東京にある「春花園BONSAI美術館」に行ってみたくて日本へ来たんだ。800坪の敷地に1,000鉢にもなる盆栽が展示されていて、かなり見応えがあったよ。海外の人もたくさん来ていたよ。
それから京都、大阪と旅をして、日本庭園にも憧れがあったから、有名な「好古園」も外せないと思って姫路まで来たんだ。今はちょうど紅葉の時期だし、より一層美しい庭の景色が楽しめたよ。
Q.なぜ盆栽にハマったの?
Vinayakさんが育てている盆栽
盆栽に興味を持ったきっかけは、僕の父が庭関係の仕事をしていたから。盆栽は見た目が美しくて日常に癒やしをくれるだけでなく、時間をかけて育て上げるための忍耐力や継続的な努力、細やかな気配りの大切さというのを教えてくれる。これは人付き合いでも同じことで、盆栽から“人としての美徳”を教わったよ。
Q.日本独特の“庭園美”とは
好古園の紅葉
外国にももちろん庭園というのはあるけど、日本ほど木の形や配置にまでこだわり、美的に整えられた庭園は他にないと思う。
例えば松の木は、バランスよく枝分かれするように最初の数年間は主幹や太い枝に重点を置いて剪定するんだ。はじめに太くてしっかりした基盤を作ることで、後々の枝の配置や形づくりがしやすくなる。
そこからは枝が過剰に重ならないよう芽摘みをして、不要な枝を取り除いたり、若い枝はワイヤーを使って曲線をコントロールしたりして、理想的な形に近づけていく。好古園はこういった庭師の努力が垣間見れて、庭づくりにおける学びがたくさんあったよ。
姫路城がこれほど美しく見えるのも、きれいに整列された石垣や、周りの木々の存在があってのことだと思う。日本人の空間づくりにおける美的センスというのは、とてもレベルが高くて驚かされるよ。
Q.最後に一言どうぞ
今住んでる僕らの家は小さくて、バルコニーに盆栽を4つ置いているだけなんだけど、行く行くは自分たちの庭を持てたらいいな。完成まで何年かかるか考えると気が遠くなるけど(笑)。忍耐強く待って、時間と愛情をかければより美しいものができるからね。楽しみにしているよ!
編集者のひとこと
日本の庭園や盆栽は、単なる芸術に留まらず、人の生き様を表していると教えてくれた二人。改めて日本の文化が持つ繊細な美しさと、その背景に隠された美徳に気付かされました。日本人が忍耐強く、謙虚だとされるのは、こうした文化の中で心の豊かさが育まれてきたからかもしれませんね。